Adèle (アデル) 年齢不詳 職業不詳
もうかれこれ三、四年前、上級のクラスを一年あまり、受講しました。受講生は
私ともう一人の女性、講師は、マリーと、「円山の台所」の講師オリヴィエとの
二人。教材は、あれやこれやのドキュメンタリーフィルム。 ほんとうにたのし
いレッスンでした。福島の原発事故のずっと前でしたが、フランスのテレビ局が
制作した、原発大国フランスの核廃物処理の実態を伝える番組にはぞっとしまし
た。アルジェリア戦争の長い長い白黒のドキュメンタリー、マリーお得意のエコ
関係のもの、など、どれも印象に残っています。
フランス語を学ぶ理由はあれこれだと思います。フランスで勉強したい人、個人
旅行をしたい人など具体的な理由のある人から、何となく趣味でやってみたいと
いう人まで。
具体的な理由のある人、どうぞ、迷わず、マリー先生を味わってみてください。
実にチャーミングですてきな先生です。
そして、何となくフランス語に興味があるんだけど、と思っている方。ぜひ、は
じめてみてください。英語が世界の言語になってから久しい今、されどフランス
語はすばらしいと、私自身、読む書く聞く話すどれをとっても英語の方がフラン
ス語より勝っているにもかかわらず、そのように言いたい。
ひとつには、たとえば、我が家にある日経の海外メディアの論評の欄は、 フィ
ナンシャルタイムズ、英エコノミスト、などなど、 すべて、アングロサクソン
系の雑誌からとってきたのもの。こんなとき、もうひとつ別のチャンネルがあっ
て、たとえばフランスのメディアをのぞいたりすると、また別の見方があって、
ああ世界って、イギリスとアメリカだけじゃないんだ、という当たり前のことを
実感します。
それから、私はフランス語ということば自体、すてきだと思います。謎めいた母
音たち、セクシーな「R」の子音、母音が重なるのを極端にきらうため、魔法の
ように音が変化していくフレーズ、話し手の心理状態をみごとにうつす様々な動
詞の態、英語よりはるかにデリケートな冠詞たち、そして、論理的な構文。ぜー
んぶ魅力的です。初心者だからとてもそんなところまでは、と思っていらっしゃ
る方。いいえ、ABCを「エイ、ビー、シー、」と読むのではなく「ア、べ、セ」
と読むというということがわかっただけで、もうすでにフランス語の世界へ一歩
入っているのです。一歩入ったら、あとは、きっと、マリーがどんどんと上手に
導いてくれることでしょう。マリーの個性はすばらしいですから。
最後に付け加え。フランス語を学んで楽しいことのひとつに、ちまたにあふれて
いる横文字のおかしさに一人くすくすすること?があります。みかける横文字は
だいたい英語か仏語ですが、それらの往々にしておかしいこと。最近気がついた
のですが、アパレルメーカーのワールドのある婦人服ブランドの名前には腰をぬ
かしてしまいました。その名前は「COCUE」。「cocu」とはフランス語で「寝取
られ男」、そして「cocue」はその女性形ですから「寝取られ女」という意味で
しょうか。(意味でしょうか、というのは、私自身、フランス人が「cocu」の方
を使うのは何度か聞いたことがあるのですが「cocue」の方は使われるのに遭遇
したことがないものですから。)大丸にもこのブランドは入っていて、このブラ
ンドの一角にはとっても可愛い服が並んでいたものですから、もしかしたら私の
勉強不足でcocuならびにcocueにはもっと他の意味があるのかもしれない、と思
い、辞書で調べてみたのですが、やはり、上記の意味しかありません。このブラ
ンドのコートを着てフランスに行き、レストランとか美術館とかでコートを脱い
で、ブランドのタグがもし見えたりしたら、フランス人はいったいどんな顔をす
るでしょうか。
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なんと!アデルさん、このブログを見てくれて、自らこの体験談をしたためてくれました。
ありがたいですねえ〜。。。感動。
というか、アデルさん、これは体験談というより、読み物です!
アデルさんは上級の方なので、フランス語力的には私とは互角、いえ、むしろ上かも、なんですね。
なので、フランス人のオリビエさんに頼んで、上級者用のレッスンをやっていました。
そのような方にこのようにお褒め頂けるとは恐縮至極にございます。
で、問題の"cocu(e)”ですね。
そのオリビエさんにも確認してみましたところ、やはり、寝取られ男で、女性形は最近はあるのかな、と。
でも、ラッキーという意味もあるんだよ、という新情報も。
T'es cocu.
といえば、滅多にないことなのでラッキーという意味で使う事もあるそうです。
でも、この表現は
Avoir une veine de cocu
から来ているみたいですね。
寝取られた人には別のところで幸運があるでしょう、という事です。(veine ツキ)
捨てる神あれば拾う神あり、という事かな。
cocuはcoucou(カッコウ)から来ている言葉だという事ですが、それを言うと、オリビエさんはそうなの?と言っていました。フランス人でも深いところまでは分からない言い回しの様ですね。
どっちにしても、cocueというブランド名はちょっと笑っちゃうみたいですね。
でも色々考えると、結構粋な感じなのかな。
普通は、浮気されて惨めな女をパッとイメージしちゃうだけかもしれませんね。
どういったシチュエーションで使っていいのかはまだ分かりませんが、
映画の中でとか、聞けたら分かると思います。
フランス語は楽しいです。アデルさんもそうおっしゃっております(英語ドイツ語堪能の方です)。
もちろん彼女レベルは遠いけど、
”千里の道もPas À Pasから(Pas À Pasは一歩一歩の意!)”
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